仮設図面では、これといったはっきりしたルールが無く、書く人によって過程も結果も様々です。
私の作図法はあくまでサンプル1にすぎません。
本設構造物平面図の作図
通り芯の次に書くのが平面図です、物件資料により様々な状況がありますが、最もオーソドックスな例で説明します。
使用する資料は主に構造図になります。支保工計画図における平面図では見上げ図を書く必要があります。構造図の平面図は基本的に見下げ図になっていることが多いのでそのまま使うことはできません。
例えば2階支保工の計画をする場合は、2階見上げ平面が必要になります。この場合、構造図の平面図において2階伏図と3階伏図が必要になります。
平面図を書くにあたって、構造図の平面CADデータを貼り付けても柱や梁のサイズがリストと違っていることが多いので、平面データを貼り付けて終わりというのはNGです。平面データを貼り付けた後にリストを見て一つ一つ修正していくという方法もありますが、結局すべてを確認しなければいけないので、私は0から書く方法を勧めています。
例として2階見上げ図を書いていきます。
まず最初に柱を書いていきます。柱を書くときに使う資料は「柱芯線図」と「柱リスト」になります。資料によっては「柱芯線図」だけで十分な場合もあります。
柱の次に壁を書きます。壁を書くときに使う資料は「2階伏図」と「壁リスト」です。「2階伏図」だけで十分なことが多いです。壁芯の位置と壁の厚さを間違えないように気を付けましょう。
壁の次に下部の床段差を書きます。見上げ図を書いているので下部の床段差を書くのはおかしいですが、床レベルの変化が少なければ見上げ図面に混ぜてしまう方針です。
状況にもよりますが床段差が激しい場合には、見下げ平面を別図とする場合もあります。しかし、別で見下げ図を作るのはまだ先の作業になるので、この段階ではどちらにしろ混ぜて書きます。
下部の床段差を書くのに必要な資料は「2階伏図」になります。時には意匠図の「2階平面詳細図」が必要にもなります。
下部の床段差のラインは「破線」で書きます。
下部の床段差の次には見上げの梁を書いていきます。梁を書くのに必要な資料は「3階伏図」と「大梁リスト」と「小梁リスト」を使います。小梁の位置寸法がわからない場合に意匠図の「3階平面図」や「3階平面詳細図」や「各種詳細図」が必要になることもあります。
梁を書いたら次は上部の床段差を書きます。
下部の床段差を書くのに必要な資料は「3階伏図」と「スラブリスト」と「構造基準図」になります。時には意匠図の「3階平面図」や「3階平面詳細図」や「各種詳細図」が必要にもなります。
床段差の影響により、梁の増コンとスラブ段差補強を考慮する必要があります。
梁は増コンを利用して梁背を調整します、梁リストのサイズより梁が小さくなってはいけません。もっともレベルの低いところを梁の基準にしてレベルの高い部分は梁上に増コンします。
スラブの段差は「構造基準図」元に段差補強を作図します。
あくまで見上げ図面ですので、躯体の上面の変化は破線で、躯体の下面の変化は実線で表現します。特ににスラブ段差の部分は間違えて逆に書いてしまいやすいので注意しましょう。
これで躯体そのもののラインは書き終わりました、次に梁とスラブのサイズを書き込んでいきます。
必要な資料は「3階伏図」と「梁リスト」と「スラブリスト」が必要になります。
スラブにはスラブ厚の数字を書きこみます(スラブ段差の厚さは考慮しないことが多いです)。
梁には梁幅×梁背の数字を書き込みます。段差のある梁の梁背は、梁背の最も大きな場所の数値を書きます。壁付梁の梁幅は、構造体の梁幅から壁厚を差し引いた数値を梁幅とします。
最後に躯体切断面である、柱と壁にハッチングをして下図平面図の完成です。
この他にも、様々な状況やそれに合わせた方法があります。
それはいつの日か具体的な物件を参考に紹介していきたいと思います。
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