仮設図面では、これといったはっきりしたルールが無く、書く人によって過程も結果も様々です。
私の作図法はあくまでサンプル1にすぎません。
本設構造物平面図の作図
通り芯の次に書くのが平面図です、物件資料により様々な状況がありますが、最もオーソドックスな例で説明します。
使うのは意匠図の平面図です。
しかし意匠図の平面図は各階に分かれています、単純に5階建てならば屋根平面図を含めて平面図だけで6枚あることになります。
外部足場で必要になる平面図は、「全フロアの屋根が見えている平面図」です。
全フロア統合平面図とでも言いましょうか。
具体的な作業は、各フロアの外壁ラインをなぞります。
それを通り芯を基準にすべてのフロア分を重ねます。
なぞるとはいっても、データの線上をそのまま同じ線を引くのではなく、通り芯からの数値を計測したうえで、通り芯からその数値通りにオフセットして描きましょう。
外壁ラインは足場計画の基準になる重要なラインです。
資料データそのままの場合、他CADからの変換で化けていたり等で数値が乱れている場合があります。
例えば計測したら100.09368・・・のように、この場合は通り芯からきっちり100のオフセットで新しい線を構築しましょう。
後々に説明しますが、この小さな数値なずれが最後に面倒を起こすことがあります。
手順としては、上階から書いていきます(5階建てならばR階→5階→4階→3階→2階→1階)
ここでの注意点は、R階を書くときにR階平面図を参考になぞらないこと、R階の外壁ラインは5階平面図をなぞって描きましょう。
その理由はR階の平面図の外周ラインは稀にですが、大きく形状が間違っている場合があります。
それと、R階の平面図の外周ラインは壁のラインではなく、笠木の端部のラインのことがあります。
足場は笠木ではなく外壁を基準に計画したいので、笠木の端部のラインは不要です。
(ペントハウスに関しても同じです、PHR平面図をなぞるのはやめましょう)
そうして各階の外壁ラインが統合された平面図ができたら、最後にパラペット内側ライン等の屋根の形状ラインを書きましょう。
このラインは意匠図中の情報にある程度合わせたほうがいいですが、厳密にそろえる必要はありません。
これから先の作業で、足場の部材や、寸法や、引き出し文字等、いろいろな項目を書き込んでいきます。
本設構造物は、外部足場計画に必要な外周ラインをはっきりと、そしてできるだけシンプルに書きましょう。